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『インハンド』最終話 山下智久の新たな代表作に? ツッコミどころ満載も続編を期待

  • 2019年06月29日(土) 00:00:58
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山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)も今回でラスト。21日に放送された最終話は平均視聴率10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、初回以来の2ケタ達成で有終の美を飾りました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回、新型のエボラウイルスが蔓延し、封鎖されてしまった栃木県・相羽村に残ることになった紐倉哲(山下)。そのウイルスを研究していた元上司の福山和成(時任三郎)は肺ガンで倒れ、ウイルスを撒き散らしたとされる福山の息子・新太(磯村勇斗)は姿を消してしまいます。

 そうこうしている間にも村人たちは次々と倒れ、遂には高家春馬(濱田岳)の幼馴染み・棚橋弘樹(平岡祐太)までもが、婚約者の杉山美園(石橋杏奈)とお腹の中の子どもを残し、死んでしまいます。

 この悲惨な状況を見た紐倉は、患者から弱毒化したウイルスを採取して生ワクチンを開発することを決意。しかし、それはあまりにも困難を極め、天才を豪語する紐倉も珍しく弱気になってしまいます。

 そんな中、山奥で密かにワクチンの開発をしていた新太を発見。自身がアメリカから連れてきた研究仲間が、相羽村を実験場にしてウイルスを撒き散らしたと知った高家は激怒し、“人類の未来のため”と強調して理解を求める新太に対し、紐倉も怒りをあらわにするのでした。

 その後、月日が経ち、美園が出産期を迎えるも、村の中に産婦人科の医師はいません。そこで急遽、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)が呼んだ産婦人科の医師にテレビ電話でアドバイスを仰ぎながら、高家が執刀することになります。

 逆子で難産だったものの、何とかオペを切り抜けた高家ですが、その後、ウイルスに感染して倒れてしまいます。5日以内に100%死ぬという状況の中、ワクチンを開発して助けることもできず、紐倉は自分の無力さを嘆きます。

最終話はツッコミどころ満載

 ところが、高家は5日を過ぎても死なず。実は実家の畑から採れた野菜にはさまざまな寄生虫が含まれ、そのどれかがエボラウイルスに対して強い抗体となっていたのです。そして、高家のカラダから弱毒化したウイルスを取り出し、生ワクチンを開発したことで相羽村の人々は救われ、封鎖も解かれるのでした。

 その後、高家は紐倉の元を離れてアジアの国で医師活動を始めるも、そこへ紐倉が現れて助手としてこき使われることに。また、牧野は念願だった外務省へ返り咲き、海外での任務を開始、というところで終了となりました。

 前回に続いて封鎖された相羽村が舞台となったのですが、BSL4(バイオセーフティーレベル4)の危険な細菌が蔓延している割には、紐倉が防護服を着用せずに山奥へ足を運んだり、高家が呑気に花に水をあげたり、患者の収容所が簡易なテントだったりと、細部に意識が行きわたっていないために、極限状態の危機感が損なわれてしまう演出が残念でした。

 それに加えて、新太の研究仲間がウイルスを撒き散らした動機もいまいち理解できず。なぜ村を実験場にする必要があったのか? 最終回を盛り上げるべく、強引にパンデミックな展開にした感が否めませんでした。

 また、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の中に厚生労働省へ情報を流している裏切り者がいる、と前々回から煽っていた割には、御子柴隼人(オリエンタルラジオ・藤森慎吾)が「僕です」とあっさり自首。厚生労働省のお偉いさんとの会話を録音していたことを明かし、マスコミに流すという展開は安易かつ肩透かしをくらった印象です。

 最終話はツッコミどころ満載といった感じでしたが、全話を通じて評価するならば、メインキャスト3人のキャラクター、相互の関係性、ストーリーのテンポなど、どれをとっても満足のいくレベルだったと思います。

 特に紐倉に関しては、変わり者の天才、という手垢が付きまくった設定かつ山下のボソボソとした喋り方を見て、第1話の段階ではあまり期待感は抱けなかったのですが、高家との出会いや元助手・入谷廻(松下優也)を巡る過去のトラウマを断ち切ったことで成長。相変わらず喋る時のトーンは低いものの、徐々に人間味が増してきた印象です。

 その例として今回、人類の未来を守るためにある程度の犠牲は仕方がない、と主張する新太に同意を求められた際、否定した点が挙げられます。ドラマの序盤で同じことを訊かれていたら恐らく、紐倉は迷うことなく同調していたことでしょう。

 また、高家の実家の畑にエボラウイルスに抵抗する寄生虫が存在することに気づいたのも、それ以前に高家に連れられて畑仕事に繰り出していたからこそ。研究室から出て、人間的な交流を得たことで紐倉は真の天才へと変化したのではないでしょうか。

 視聴率的には物足りなかったですが、山下の新たな代表作になるポテンシャルは十分に秘めているドラマだと感じましたし、その成長をもっと見たい。シリーズ化をぜひ期待したいところです。

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