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田口淳之介の逮捕を“転落劇”として消費してしまう報道の問題

  • 2019年05月26日(日) 00:00:59
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22日午後、KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介と、内縁関係にある女優の小嶺麗奈が大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕された。田口容疑者と小嶺容疑者が同居していたマンションの家宅捜索が行われ、東京・世田谷のマンションや車からは、乾燥大麻や吸引器具などが押収されている。

 田口容疑者の逮捕を受け、過剰な報道が連日続いている。自宅マンションに報道陣が詰めかけてその暮らしぶりを伝えたり、警察署に移送される様子を上空ヘリから撮影して中継したりといった具合だ。大々的に報じられるなかで、「小嶺容疑者が田口容疑者を“転落”させた」とする報道も多い。

 23日放送の『ビビット』(TBS系)では、TOKIOの国分太一はジャニーズ時代の田口容疑者と個人的な交流があったことを明かし、「俺の知っている田口はこんなヤツじゃなくて」 「自覚を持って欲しかった」「KAT-TUNという名前が傷ついてしまう」とコメント。コメンテーターのテリー伊藤は「小嶺容疑者から知恵を入れられてというか、信念を持ってではなく誘導されて(ジャニーズ事務所を)やめたんじゃないか」と憶測を展開した。

 田口容疑者は2006年にKAT-TUNとしてデビュー以降、『リーガルハイ』(フジテレビ系)や『きょうは会社休みます。』(TBS系)などのヒットドラマにも出演、役者としても人気を得ていた。しかし、2016年3月にKAT-TUNを脱退し、事務所も退所。以降は個人事務所を立ち上げ、歌手を中心に歌手や俳優、モデルなどの活動を続けていた。しかし、昨年末には大手レコード会社ユニバーサルミュージックとの契約が終了していたという。

 一部スポーツ紙は、田口容疑者の“転落ぶり”を<ジャニーズ後遺症>と名付けた。元男闘呼組の成田昭次や元KAT-TUNの田中聖も大麻取締法違反で逮捕(不起訴処分)されているが、いわく<ジャニーズ時代の栄光と辞めた後の現実のギャップに苦しみ、精神的に不安定になって暴行したり、薬物やアルコールに溺れ、事件を起こす>ためだという。

 しかし、田口容疑者が薬物に手を染めた理由を過去に求めたり、内縁の妻のせいにすることは、安易かつ勝手な憶測であり、本当のところは分からない。むしろ、こうした無神経な報道のあり方が、薬物依存への偏見を強め、更生や治療を妨げることにもなり得る。
田口容疑者をめぐる適切な報道とは?

 薬物依存症や著名人の薬物使用の逮捕に関して、有志団体が策定した「報道ガイドライン」がある。2017年に評論家の荻上チキ氏や国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦氏ら専門家により作られたもので、報道上「望ましいこと」として、「薬物依存症の当事者、治療中の患者、支援者およびその家族や子供などが、報道から強い影響を受けることを意識すること」など明記されている。

 一方、「避けるべきこと」としては、「逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果薬物を使用したという取り上げ方をしないこと」「『がっかりした』『反省してほしい』といった街録・関係者談話などを使わないこと」「ヘリを飛ばして車を追う、家族を追いまわす、回復途上にある当事者を隠し撮りするなどの過剰報道を行わないこと」などがある。

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