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『俺のスカート、どこ行った?』突飛な設定には納得も、初回にも増して凡庸な第2話

  • 2019年05月06日(月) 00:00:59
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4月27日に放送された『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)第2話。豪林館学園高校が学校全体の偏差値を上げるための補習期間に入った。放課後の補習には、担任教師も付き添わなければならない。原田のぶお(古田新太)は、残業代なしで補習に付き合わされると聞いて「ブラック企業じゃん?」と不満たらたら。

 そんな中、チアダンス部顧問の戸塚(平岩紙)が産休に入ったため、代わりに顧問をやってほしいと依頼された原田。部活の顧問をやれば補習担当が免除になり、手当がもらえると聞き、引き受けることに。

 大会が迫り、朝練はもちろん、夜遅くまで猛練習を重ねる部員たちに対し、原田は「練習しすぎよ」「ブラック部活ね」と練習を止めたが、今度の大会でどうしても上位入賞したい部員たちはこっそり自主練を続行。そんな中、川崎結衣(髙橋ひかる)が練習中に足をくじいてしまった。川崎のケガは学校に知られ、チア部は補習期間中の練習休止を命じられる。原田はチア部を御用達のショーパブへ連れて行き、そこで練習をするよう場所を提供した。

 大会当日、川崎は会場へ姿を現さなかった。しかし、副担任の田中みちる(桐山漣)に見つけられ、戸塚が入院する病院へ連れて行かれる。実は、戸塚はシングルマザーになることを隠し、出産しようとしていたのだ。「チアは誰かを応援するもの」と、原田はチア部員たちに戸塚を応援するよう指示。チアをやめるつもりでいた川崎も、原田と部員たちに説得され、戸塚にダンスでエールを送った。
なぜ主人公は女装をしているのか

 このドラマは、風変わりな先生が破天荒なやり方で現代の生徒に接するという方向性。ということは、よく考えると主人公が女装している必要性がないようにも感じられてしまう。風変わりであれば、女装家でも、爆破で生徒を監禁する先生でも、なんでも良かった?

 いや、このドラマは既存のルールに縛られることで生じる生きづらさに物言い、変容させる原田の姿が描かれていくはずだ。残業手当の出ない補修を担当することや、己の生活を犠牲に部活顧問をする勤務体制に教師はなかなか文句が言えない。だからこそ、ダイバーシティを提唱する寺尾綴校長(いとうせいこう)はズケズケ意見を言う原田の存在を欲したのかもしれない。そんな同作の方向性を象徴するのが、主人公の女装姿ということ。

 熱く部活に打ち込む姿勢こそ美徳とされる風潮についても同様。原田は足の痛みを気にする川崎に気づき、練習を終わらせるよう命じた。

「オーバーワークはケガのもと。定時退社が一番なの」(原田)

 日本に息づく美徳とは正反対の姿勢。既存の価値観からの脱却を恐れない原田ならではだった。

 そう考えると、若林優馬(長尾謙杜)と屋上でランチしている場面も腑に落ちる。屋上への立ち入りは禁止になっているが、この人はどこ吹く風。もしかしたら次回から、川崎も、この屋上ランチに加わっているかもしれない。


面白い設定と役者陣、凡庸なストーリーと出来栄え

 そういったドラマの意図を踏まえたとしても、物足りない。ストーリーが凡庸でおとなしいのだ。第2話は特に。

 いじめもあり、崩し難いヒエラルキーも存在していたはずの2年3組。なのに、前回とは打って変わって今回はいい子たちばかりになっていたのだ。第2話でフィーチャーされた川崎だって、ちょっと原田を小馬鹿にしている感があった。それが今回は、部活に懸けるピュアで真面目な明るい子に変身している。執拗に原田に絡んでいた東条正義(道枝駿佑)の性格の悪さも、第2話では見る影もなし。職員室でも、原田はあっさり周囲に馴染んでいるようだ。原田とウマが合わなかった生活指導の長井あゆみ(松下奈緒)は、早くも原田に理解を示し始めている。

 加えて、原田本人までおとなしくなっている。初回では生徒を屋上から飛び降ろさせ、校門をブルドーザーで破壊するなどアナーキー極まりなかったが、今回はせいぜいチア部の練習場所にショーパブを紹介した程度。感動路線なのかコメディ路線なのか、中途半端だ。緊張感がなくなり、凡庸な雰囲気がドラマを覆い尽くすようになってしまった。

 この作品、確かに学園モノのセオリーを抑えてはいるが大きな破綻がないので、見終えた直後の脳裏に「無難」の2文字を浮かべてしまう。突飛な設定はある。クセのある役者もこんなに揃っている。面白くなる要素は十分揃っているはずなのだが……。

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