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『家、ついて行ってイイですか?』自殺した父を責めた過去を悔やむ息子……遺言は「包茎手術しろよ」?

  • 2018年10月13日(土) 12:00:11
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10月3日放送の『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)が目黒駅でつかまえた男子大学生が、父子のあるべき姿を生々しく教えてくれた。

 明治大学に通う彼は、小学生の頃に始めたラグビーに励む21歳の現役ラガーマンだ。確かに、ゴツい体格をしている。それでいて、優しさも兼ね備える。ぶしつけなロケ隊へ、彼はコンビニで買ったお茶を手渡した。実家住まい、一人っ子とのことなので、ロケ隊は彼が母親と2人暮らしするマンションを訪問した。

 中学卒業後にニュージーランドへ1年間のラグビー留学をし、中高では部のキャプテンを務めたという彼。筋金入りのラグビー歴である。それほどまでに打ち込んでいたから? いまだ、彼には女性との交際歴がないらしい。しかし、童貞ではないと強く主張する。大学2年の時、先輩から誘われた飲みの席で会った「あいかちゃん」をお持ち帰りし、そのまま事に至ったようだ。「どうでしたか?」という質問には「こういうもんなんだなって」と、クールな回答である。
■優しかった父の変化を受け入れられず、思い悩んだ

 室内を見渡すと、そこかしこにラグビーの思い出を発見できる。ラグビー仲間が寄せ書きしたボール、全国大会の地区予選の際に撮った記念写真など。

 そんな中、仲むつまじげな両親が収まる1枚の写真が異彩を放っている。彼が中3の時に他界した父の表情は、いかにも優しそうだ。

「優しくて怒られたこともないし、困った時、助けてくれるなあって。一緒にいるだけでいいみたいな。ラグビーの試合行ったりとか、送り迎えもやってくれたんすよ。『よかったね』『今日、頑張ってたね』って」

 そんな父親が交通事故に遭ったのは、彼が小5の時。帰宅が遅いと思ったら、パチンコ帰りの老夫婦に車でひかれていた。

「(ICUに)入ってるところを見て、『痛い、助けて』って聞いたこともないような高い声。人間じゃないみたいな声で……」

 なんとか一命を取り留めた父親だったが、その後は様子が一変してしまった。

「見た目は普通なんすけど、脳みそが潰れちゃってるんですよ。小学生くらいなんで、精神年齢が」

「『今日、何やってたの?』って、1分前に聞いてたようなことをもう1回聞くみたいな」

「何回も同じこと言ったり、空気読めないこと言ったり。なんか言ったら、ずっと悩んじゃう」

 次第に、優しかった父親との親子関係はゆがんでいた。

「普通の人は(生きてて)たぶんうれしいとか思うんですけど、なんか違うんですよ。思ってたのと全然。表情とか雰囲気違うし、怖かったです」

「ずっとそういうのが続くんで、ストレスたまっちゃって。僕も中3とかで、受け入れられない時期じゃないですか? どうしても、反発しちゃうんですよ。ケンカとかも続いちゃって」

 積み重なったのは息子のほうだけじゃない。苦悩が続いた父は、包丁で自らの胸を刺し、自殺した。

「そりゃ悲しいですけど、アレもあるんじゃないですか? ……ほんのちょっとですけど、邪魔だって言ったら悪いですけど。今だったら違うと思うんですけど、その時はガキなんで、中学生なんで……一瞬、思っちゃったんじゃないですかね、たぶん。みんなが集まる場所に来てほしくなかったんで」

 深いため息をつきながら、彼は父が自殺する前日を振り返った。

「前日に『そういう場所来んな』『授業参観来んな』『お父さんのせいだ』って言ったんすよ、いろいろ。それ言わなかったら大丈夫だったんじゃないかなって思うんですけど」
■最後まで息子の包茎を気にかけていた父

 彼は今、後悔の念に駆られている。

「今になって、(自分が)『なんで?』みたいな。『何言ってんの?』みたいな。キツイっていうか……」

 そして、父親の不在を悲しむ。

「本当に困った時、『出てこいよ』と思った時はありますよ。本当に迷った時。『教えて』『助けて』みたいな」

 男子が人生で迷う瞬間は数多い。彼に立ちはだかった関門は切実だった。

「カントン包茎なんですけど。お父さんが基本、『ちんこむいて洗いなさい』って言うんですけど。みんな、やってるんですよ。幼稚園、小学校の低学年から。(自分は)やってなくて、ずっと。初めてやったら真っ白で。チンカスですよ。(自分の頭を性器に見立て、頭からあごを上下にさすりながら)真っ白なんですよ、ここの、この辺とかも」

「むいてもめっちゃ痛くて、うっ血したんですよ。大学2年生くらいの時にちんこを使ってみて、使えねえなってなって」

「(自分の頭を性器に見立て、あごから首を手のひらで覆い)むくと、ここでめっちゃ首絞まるみたいな」

 父が自殺する前日について、彼は再び振り返った。

「遺言的なのはありましたよ。前日の夕方くらいに僕の部屋に来て、2つ言われて。『今日からもう会えないかもしれないけど、いつまでも応援してるよ』『頑張ってな』みたいな。『お母さんと2人になっちゃうかもしれないけど大事にしなさい、言うこと聞きなさいよ』」

「もうひとつあって。これ本当なんですけど、なんか、『包茎手術しろよ』って言われて。確かに、それで苦労してるんですけど。その時(初体験の時)、それがよぎったんですけど」

 笑いを伴うエピソードだから、余計リアルに響いてくる。男同士でしか共有できない悩みがあり、“人生の先輩”として頼れる存在になる。そんな時こそ、父の存在は息子に染みる。でも、迷った時に声を上げた「教えて」「助けて」という叫びは、今は父へ届かない。

 よどみのない、リアルな現場からの声だった。逆に、「父子は良好な関係性を築くべき」だと生々しく教えてくれた。

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