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井浦新が『健康で文化的な最低限度の生活』への出演を前に語っていた『アンナチュラル』での後悔

  • 2018年07月12日(木) 13:00:56
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 7月17日21時より連続ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)の放送が始まる。区役所の生活課に配属されケースワーカーとして働くことになった義経えみる(吉岡里帆)が、様々な生活保護受給者との交流を通じて社会福祉制度の現実を知るとともに、人間としても成長していく物語だ。そのなかで、義経えみるを助け、良き相談相手となる先輩のケースワーカー半田明伸を演じるのが井浦新。

 『健康で文化的な最低限度の生活』での井浦新の役どころは、主人公との関係性という意味において『アンナチュラル』(TBS)で演じた中堂系にも通じるものがある。中堂系のぶっきらぼうながら、いざというときは主人公らチームメイトを助けもするそのキャラクターは、多くの視聴者の心を掴んだ。

 井浦は『アンナチュラル』での演技を認められ、第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞で助演男優賞を受賞している。しかし、井浦自身はこの作品での演技にまったく満足していなかったようだ。それどころか、<俺テレビドラマはもう無理だな……>とさえ思っていたという。

 「キネマ旬報増刊 キネマ旬報NEXT Vol.20」(キネマ旬報社)に掲載されたインタビューで『アンナチュラル』を振り返った井浦は、<実は僕、あのドラマの時の自分の芝居に満足していなくて……>としながら、このように語っている。

<自分自身の反省点がたくさんありすぎて、撮影終了後の打ち上げの時なんか、ものすごいネガティブモードで皆さんに謝りまくっていましたから。『ほんと、すみません。しょっぱい演技で』みたいなことを言いながら。実際、あの時は、“俺テレビドラマはもう無理だな……”とまで思っていたんです>

 なぜ、そんなにも落ち込む結果になってしまったのか。実は、井浦は『アンナチュラル』で実験的な試みをしていたと言う。

<僕はあのドラマの中で、これまで禁じ手としてきた芝居、つまり、自分に芝居を叩き込んでくださった映画界、演劇界の恩師や大先輩の方々からしたら“何やってんだ!”という芝居を、あえてやっているんです。そういう芝居をテレビドラマでやったら、逆に面白がってもらえるかもしれないという発想から、とにかくチャレンジしてみたんです。ところが、それがことごとく失敗しまして……>

 井浦新はもともと、民放各局のテレビドラマよりは映画の方をメインに出演してきた俳優。特に、晩年の若松孝二監督作品とは関わりが深く、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』といったかなり硬質な作品にも主要な役柄で出演している。

 先のインタビューで語られている<禁じ手>がどのようなものなのか具体的には語られていないので詳細は想像するしかないが、おそらく、映画では試すことができないような演技プランに敢えてチャレンジし、結果的に、自分ではあまり納得のいかないものになってしまったということなのだろう。

 しかも加えて、もうひとつまずい状況があった。テレビドラマであれば、放送中も撮影が続いているので、視聴者の反応を見てフィードバックを得れば良いのだが、『アンナチュラル』は主演の石原さとみのスケジュールの関係により、放送開始の時点で撮影はすべて終わってしまっていた。井浦新にとっては、自分の演技に対する不安やフラストレーションに悶える3カ月だったのかもしれない。

 ただ前述のように、蓋を開けてみれば、井浦の演技は絶賛を受けることとなった。この一件は、俳優・井浦新にとって非常に勉強になったと言う。2018年4月29日付ニュースサイト「ORICON NEWS」のインタビューで彼は<この作品に出演して、自分の考えていることなんてたかが知れているなと強く感じました><役というのは、スタッフや共演者のみなさん、そして視聴者のみなさんが育ててくださるのだということを痛感させられた作品でした>と語っているが、その経験は『健康で文化的な最低限度の生活』でも活かされることだろう。

 今回、井浦が演じる半田は、終始穏やかで優しく主人公を手助けするキャラクター。同じ「先輩」という立ち位置でも、性格的には中堂系とは対称的な役柄ともいえるが、彼はいったいどんな演技を見せてくれるのだろうか。

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