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北島三郎の次男・大野誠さん逝去、男女比8対2で起きる孤独死を予防する方法

  • 2018年03月15日(木) 07:00:39
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「大事な、大好きなかわいい自分のわが子を……。先に旅立ってしまったという、そんなつらさがあります……」

【写真】若かりし頃の親子

 明るくて豪快な、いつものオヤジの姿ではない。3月7日、次男の大野誠さんが急死したことを受けて開かれた記者会見で、北島三郎は涙を流しながら声を振り絞った。

「大野さんは'88年に『1st Blood』というロックバンドのボーカルとしてデビュー。バンド解散後は音楽プロデューサーとしてNHKアニメ『おじゃる丸』の主題歌や、北島さんが出演する舞台の曲などを手がけていました」(スポーツ紙記者)

 2月下旬にデュエット曲の制作依頼を受け、曲作りに取りかかっていた。大野さんはひとり暮らし。自宅の作業場にこもって仕事に集中していたので、周囲は異変に気づくのが遅れたらしい。北島が所属する事務所の社長で、誠さんの兄でもある大野竜氏は、会見の前に状況を説明した。

「制作活動中は連絡しても2、3日返事がないことはザラでした。仕事中は没頭してしまうタイプなんです。今回はあまりにも長く無反応だったため、3月3日に警察と一緒に安否確認に立ち入り、亡くなっているところを発見しました。死因は心不全でした」
北島と大野さんのエピソード

 ジャンルは違っても、同じ音楽に携わる道を選んだ息子を北島は応援していた。

「デビュー当時、大野さんは“オヤジを超え、世界に通用するアーティストが目標。オヤジというでかい山を越えたい”と語っていました。

 実際、北島さんも驚くようなメロディーを作っていましたよ。オルタナティブ・ロックというマニアックな音楽なので、“時代が俺に追いついてない”と悔しがっていましたね」(音楽ライター)

 会見でも、北島は大野さんのことを「よきパートナーだった」と話した。

「三女の水町レイコさんも女優になっていますが、娘と息子では感覚が違ったのでしょうね。水町さんには“大丈夫か?”とよく声をかけていましたが、誠さんには“頑張れよ”くらいのもの。同じ世界で闘う戦友でもあり、才能を買っていたからこそ、口出ししなかったのだと思います」(芸能プロ関係者)

 大野さんの才能は高く評価されていたが、ポピュラーな歌ではないだけに下積み生活が続く。ライブハウスを回って演奏し、地道にファンを増やしていった。

「売れていないバンドは交通費節約のために、ワンボックスカーに機材を積み、何時間もかけて移動するのが普通です。青森で行われたフェスに参加した際も、『1st Blood』はボコボコのバンに機材を積んで会場へ。

 その横にフェラーリが停車し、降りてきたのは誠さんだったという逸話があります。もちろん、北島さんが買い与えたもの。身の丈に合わないクルマですが、少しでも楽をさせてあげたいという親心なんでしょうね」(レコード会社関係者)

 バンドが解散してからは表舞台に出ることもなくなった。都内の自宅近くで住民に話を聞くと、近所付き合いはほとんどなく、外出も多くなかったようだ。

「並びなので住んでいることは知っていましたが、見たことは1度もありませんでした。存在を感じるのは“車が止まっているな”という感覚ですかね」(近所の住民)

 存在すら知らなかったという人が多い。

「彼の家の近くに住んでいるんだけど、まったく知らなかった。ニュースで初めて知ったの。このあたりでは食事をしたりしていなかったのでしょうね」(別の近所の住民)
増加傾向にある孤独死は男性に多い

 ひとりで仕事に没頭しているときに、不意に訪れた死。51歳という若さで亡くなったことは、日本少額短期保険協会内 孤独死対策委員会の杉本茂也氏によると、珍しいことではないという。

「孤独死は増加傾向。これからも増えていくでしょう。全体の4割は60歳以下の方なので、51歳で亡くなったのは驚くことではないんですよ」

 芸能人でも'15年に阿藤快さんが孤独死でこの世を去っている。孤独死は性別で大きな差があり、男女比はおよそ8対2という開きがある。

「男性のほうが独居率が高いんです。働いていれば職場で気づくことができますが、非正規雇用の場合は発見までに時間がかかる事例は少なくありません。防ぐには、顔を合わせるとか、電話で声を聞くとか、リアルな肉声コミュニケーションを日々とっていくことが重要でしょう」(杉本氏)

 大野さんは、死後8日たってからの発見だったとされている。

「それならかなり早いほうですね。男性の平均が18日、女性が15日ですので。3日以内に発見される割合は男性が37%、女性が48%なんですが、2週間を超えていくとどんどん遅くなっていく傾向にあります」(杉本氏)

 孤独死が増えているのは間違いのない事実。著書に『男の孤独死』(ブックマン社)がある、兵庫県尼崎市の長尾クリニック・長尾和宏院長の話は衝撃的だ。

「東京都内で在宅の死亡は、6割が警察による検死なんです。つまり、半分は家族ではなく警察が看取っているということ。

 昨今はどこの警察署でも、遺体安置所に遺体が入りきらない状態です。死後時間がたつと事件性が疑われますので、大学病院で解剖される。その後で遺体が警察へ次々に運ばれてくるんです」

 多くは突然死で、隣人にも気づかれないことが多い。

「毎日誰かに必ずメールをするとか鍵を管理人に預けて入れるようにするとか、とにかく誰かとつながっておくことが大切。

 孤独死を出さないための街づくりも必要で、開業医の果たす役割が大きいと思います。孤独死者をほったらかしにしているのは本人ではなく、社会のシステムですよね」(長尾院長、以下同)

 ただ、女性は男性ほど孤独死が多くない。その理由は、コミュニケーション能力の高さにあると考えられる。

「女性は買い物でも旅行でもみんなで行く。男性はひとりで行動することが多い。男性のほうが強がる傾向があるし、自分の死というものに鈍感です。

 男性は自分には死は来ない、考えたくないなどと思っています。夢を追う、ロマンを追う。現実は見たくないと考えているんですよ」

 孤独死しやすい男性には共通点があり、3つの条件が当てはまるという。

「キーワードは“男・60代・酒”です。60代になっても深酒をしていれば、身体にいいわけがない。次にタバコですね。

 酒を飲んでタバコを吸っていれば心筋梗塞になります。そもそも男性は女性に比べて生まれつき7年寿命が短い。そのうえに酒を飲んだりして無茶を重ねてしまう。男性のほうが短命なんだから、温かい目で見守ってあげてほしいですね。男というのは悲しい生き物なんです」

 大野さんも酒とタバコが好きだった。孤独死を減らすためには周囲が注意深く見守ることが大切なのだろう。

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