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ブルゾンや渡辺直美 女芸人メイクが支持される理由

  • 2018年02月11日(日) 11:00:22
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放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、変わりつつある女芸人の地位について考察。

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 昨年、大ブレイクしたブルゾンちえみや、“インスタの女王”渡辺直美、登美丘高校ダンス部による“バブリーダンス”のブレイクに貢献した平野ノラら、若い女性にメイクを真似される女芸人が増えている。

 太くて目尻までハネさせるアイラインや真っ赤な口紅が特徴のブルゾン。ピンクのチークや、本来の輪郭より大きく描き、グロスたっぷりなリップが印象的な渡辺。そして、バブル時代の作り込んだメイクの平野は、いずれも「メイクしている」と誰もが認識できる、濃い目なメイクである。

 他にも、チークがアイコンのガンバレル―ヤ、ゆりやんレトリィバァなど、“扮装”に近いメイクの女芸人に勢いが感じられる。

 かつては、アジアンの馬場園梓に代表される“おしゃれ女芸人”に注目が集まっていた。コンセプトは原色使いだったり、柄同士の組み合わせで、大阪では「アムラー」ならぬ「ババラー」なる女子が多く居たものだ。思えば、それらは、イマドキの若手カリスマモデルたちと同じワザである。

 あれから10年ほどが経ち、いま、女芸人は「おしゃれであることが当たり前」になっていて、続いて注目されているのがメイクなのだ。

 いまのアラフォーやアラフィフが若かりし頃、ナチュラルでコンサバな男子ウケの高いメイクをしていたのに対して、いまの若い女性たちはモード系の「作り込んだ」メイクを好む。そんな彼女たちにとって、女芸人らのメイクは、模範的であるようだ。

 実は、アラ還以上の女性たちには、しっかりメイクをしている人たちが多い。眉にアートメイクを施した最初の年代も、つけまつげに最初に手を伸ばしたのも、太目のアイラインを引いたのも、この年代。1960年代から70年代の歌手や女優の“しっかりメイク”を真似ていたからだと思う。

 大相撲の問題で、その発言がメディアを騒がせた池坊保子氏や、石原慎太郎氏にズバリ「厚化粧」と言われた小池百合子東京都知事などもその年代。同性でもあり年代も近い筆者から見ると、ことさら濃いメイクであるようには思えないが、オジサンを中心に、男性からは批判の対象になっている。

 美容雑誌などに度々記されているのは、「女性は、自分がいちばん輝いていた時期のメイクで止まってしまっている」ということ。“輝いていた時期”とは、若かりし頃を指しており、そのときにしていたメイクを、年齢を重ねても、やり続けているというのだ。

 それは、メイクを覚えたての時期にも重なり、当時のトレンドのまま、眉の太さから頬紅を入れる位置、アイシャドーや口紅の色などを変えていないという意味。髪型や服装は何とかトレンドに合わせるものの、メイクだけは、覚えているままに指を走らせ、鏡の中の自分が「もっとも落ち着く顔」が完成形である。

 そんな中、旬の女芸人によるメイクを真似する若い女性は、「トレンドを押さえている」という感覚のようだ。

 今いくよ今くるよさんの昔から、女芸人は濃いメイクをツッコミ合っていたものだが、その流れがずっと続いていたワケではない。

 たとえば、オアシズの光浦靖子や大久保佳代子、いとうあさこ、そして森三中、アジアンの隅田美保など、アラフィフ、アラフォーの女芸人はナチュラルメイクが主流である。

 柳原可奈子が出てきた頃、「デブなのにネイルしている」「デブなのにメイクしている」と本気で驚いていたのは森三中の村上知子だ。

 実際、柳原は、メイクにもっとも時間をかける女芸人として有名で、髪は局メイクさんに任せるものの、メイクは自前で、1時間は鏡に向かっているだろうか。

 あまり知られていないが、女性タレントの大半には専属のメイクさんが付いていて、メイクはメイク室ではなく、それぞれの楽屋で行われている。

 が、女芸人はセルフメイクゆえ、バラエティー番組の収録時、局のメイク室は彼女たちで溢れかえる。

 柳原のような正統派メイクも、ブルゾンや平野のような扮装に近いメイクを施すのも自分。当然、メイクのテクニックはどんどん上達していき、見ていて特に驚くのは、彼女たちの眉メイクが上手いことだ。

 もともと、眉を描くのが当然という時代に“お年頃”を迎えた彼女たち。パウダーやペンシルを使って、美しい眉を自分で描いている。たとえば渡辺直美の眉を見ていただきたい。カーブといい、長さといい、色といい、すべてが完璧なのである。

 モードを取り入れ、多色使いの華やかなファッションに合うのは、やはり色をたくさん使った“女芸人メイク”。

 繰り返しになるが彼女たちはセルフメイクなので、プロのメイクアップアーティストのテクニックとは異なり、真似もしやすい。その上、使っている化粧品もドラッグストアで売っているようなプチプラコスメばかりなので、そこも若い女性たちには、すぐに取り入れやすい理由だろう。

「なりたい顔」は、この3年、石原さとみだというし、すべての年代の人が「もっとも美人」と認めるのは北川景子であることは確かだ。

 が、美形というワケではなく、特徴的な顔立ちや、決していいとは言えないスタイルなのに「頑張っておしゃれしている」女芸人に好感が集まっているのは事実なのである。

 背景には、昔と違って、「イタイ」と思われない、女芸人たちの地位向上もある。

 かつて、男の芸人にドラマや映画出演のオファーが殺到したようなブームが女芸人にも来ているし、だいたひかる、鳥居みゆきのように“笑い”以外のジャンルで頭角を現している女芸人もいる。

 ファッション、メイクときて、次は女芸人の生き方が真似されるようになるのかも。時代は変わりつつある。

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